前回の光軸調整の続きです(最終)。
注意(重要)
■必ず保護メガネを着用して作業してください。
■以降の写真は、設計中のものなのでカバーがない状態のものが多いですが、カバー設置後の調整を強く推奨します。
■本製作記録では実際に行った作業を できるだけ 正確に記述するよう心がけていますが、それでも言葉足らずや間違いがあるかもしれません。多くの先輩方の優れた記事が他にもたくさんありますので、多くの情報を吟味されて、安全に作業されるようにお願いいたします。
第2ミラー調整(第3ミラーへの入射位置 )
第3ミラーへのレーザー光の入射位置を調整します。
注)この段階では、まだミラーは取り付けません。
第3ミラーマウントが第2ミラーに最も接近するように、X軸を移動させます。
Y軸は中央付近で良いでしょう。
第3ミラーマウント にマスキングテープを貼ってレーザーを照射します。
第3ミラーマウントが第2ミラーから最も遠くなるように、X軸を移動させレーザーを照射します。
第3ミラーマウントが第2ミラーに近い位置にある場合と遠い位置にある場合で、第3ミラーへの入射位置が重なるように、第2ミラーの角度を前回と同様に調整します。
ここで、なんだかマスキングテープ上の焦げ跡の形が変なことに気づきました。
もともときれいな円ではなかったのですが、ここにきてスポットが2つに見えます。
そんなことをツイッターでつぶやいていたら、フォロワーさんから下記のような情報をいただきました。
“中華レーザ管はそんなもんで、 出力低いときはプラズマに片寄りがある。
厳密には低出力時はビームスポット内のエネルギー分布も不均一なはず。
光軸調整には影響ないので私は気にしてません”
とのこと。
第3ミラーの場合は、レーザー管から遠くなってパワーも落ち易いのかもしれません。
とりあえず、光量あげたり照射時間を伸ばして、丸いスポットにして調整しました。若干、スポットが大きくなって調整しづらいですが・・・
入射位置がミラーマウントの中央にない場合は、次のような調整を更に行います。
第3ミラー入射位置の横方向のズレは、第2ミラーマウントを横方向に移動させて調整します。
ミラーマウントの取り付け穴が長穴になっているので、調整可能です。
角度を振ってはいけません。
第3ミラー入射位置の上下方向のズレに対しては、本装置には調整機構がありません。
全体的にレーザー管を上下方向に移動させる方法がありますが、入射位置がほぼ中央だったし、ここまで来てレーザー管をいじる気にはならないので、やりませんでした。
尚、第3ミラーマウントとキャリッジ間に何か薄いワッシャなどを挟んで、上方向に移動させることはできます。
今回はほぼ中央にあるので、このまま第3ミラーの角度調整に進みました。
第3ミラー調整(第3ミラーからの反射光 )
第3ミラーマウントにミラーを取り付けます。
Z軸(高さ方向)のレーザー光のずれを確認します。
確認する際の、第3ミラーの位置は加工領域のほぼ中央としました。
注)この段階では、まだレンズは取り付けません。
まず、レーザーヘッドの開口部にマスキングテープを貼って、レーザーを照射します。
開口部のおおよそ中央にスポットが来るように、第3ミラーマウントの角度を調整します。
上方から見えないので、手鏡で確認しました。
第3ミラーを反射したレーザー光が、下図のCのような光路になっていると、レーザー光がヘッドの内壁にあたって、マスキングテープに焦げ跡がつかないので注意して下さい。
レーザーヘッドの開口部からなかなかレーザー光が出てこない場合は、先端のレンズマウントを一旦外して調整してほうが、仕事がはかどります。
上の写真はレンズマウントを外して調整しています。
次に、レーザー光が材料に対して垂直に照射されるように調整します。
昇降テーブルに適当な材料を置き、上図のAの位置でレーザー光を照射します。
次に昇降テーブルを操作して、そのまま材料を下方Bの位置に下降させて、レーザー光を照射します。
AとBの焦げ跡が重なるように、第3ミラーマウントの角度を調整します。
Aの位置は材料上面がレンズの焦点距離付近になる位置、Bの位置はAから20mm程下降した位置で行いました。
最後に、ミラーマウントにレンズを取り付けます。
レンズは凸面が上方になるのが、正しい取り付け方です。
光軸調整記事の最後に
今回の自作レーザー加工機の光軸調整はたまたまうまくいったという感じで、ミラーマウントの調整機構が全方向にあれば、作業が格段にやりやすかっただろうと感じました。
なかなかBLOG更新ができず、最後の光軸調整から10ヶ月程経過していますが、全く加工に不具合は生じていませんので、一旦調整できれば光軸調整のメンテはそんなに発生しないかもしれません。
最後に、私が参考にさせていただいた動画の一つを紹介しておきます。
光軸調整の全行程を簡潔に分かりやすくまとめてありますので、全体の流れを知るのに最適かと思います。